福利厚生費と思っていたのが交際費になることも

離職率の下げるためや、社員同士の結束力、組織貢献をはかるためなど、様々な目的で福利厚生として会社が支出する費用がありますが、税法の考え方では(社内)交際費に該当するとされることもあり、思わぬ税負担が発生してしまうこともあります。
資本金1億円以下の中小企業では、800万円までの交差費は経費で認められるなど、優遇される場合もありますが、福利厚生費として考えていたものが交際費にならないか確認は必要です。

福利厚生費と認められるケース

社内の行事(レクレーション)として、創立記念や期首決起集会、納涼祭、忘年会、新年会などで支出した費用は、福利厚生費として認められます。
通常、会社は社員などと雇用契約を結び、働いた分の給与を支給することになりますが、給与の他、職場の環境整備といった点から、福利厚生費といった支出も避けることはできません。

税法では福利厚生費は基本的には利益供与の側面もあることから、原則的には給与と捉えられていますが、従業員のためだけの通常要する費用は交際費から除かれ福利厚生費とされます。

ここでの従業員は、社内行事に強制的に参加し、従業員全員に対するもので、通常の飲食などの費用は福利厚生費として認められます。
金額も多く特定の従業員のみのための支出であれば福利厚生費とは認められません。

また、従業員などの親族の慶弔などで、一定の基準に従って支給される金品に要する費用も福利厚生費とされます。

ここでの一定の基準とは、「社内規定」などルールに従って支出していることがアピールできるかが重要です。
何の基準もなく支払っていると、給与か交際費か福利厚生費なのか区切りが曖昧になってしまいます。

◇まとめ
・会社の行事で、従業員がほぼ強制的に参加するもので、通常の飲食などの費用でについては福利厚生費として認められます。

・従業員の親族についての慶弔などでは、「社内規定」に則り支出されたものは福利厚生費として認められるます。

居酒屋でのミーティング

従業員同士のコミュニケーションと簡単な打ち合わせとして、居酒屋での支出についてですが、従業員への飲食費提供などは基本的には、利益提供になり原則的には給与の取扱いとされ、給与まで至らない範囲では交際費となります。

ただし、従業員の慰安のためで、全従業員が対象で、金額も通常の範囲内であれば、福利厚生費として認められます。
各地区ごとや部署ごとで、個別に開催されていても、全従業員を対象としていれば問題ありません。

福利厚生でも、交際費でもなく、会議費として扱うには、居酒屋でアルコールを飲んだ状態で「会議」の実態を証明することは難しいでしょう。

福利厚生費と交際費の予算

予め、福利厚生費と交際費についての支出で「社内規定」を作っておきましょう。
その「社内規定」に則って年間の福利厚生費と交際費の予算を概算で作っておくだけでも、後々思ってもいない税負担が発生するなどのケースは未然に防げる場合もあります。

予算外の支出があることもありますが、予算を使用する場合は事前申請にして会社でコントロールできるようにすると、無駄な支出や不正も防げることになります。

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【編集後記】
下半期に入って、はやくも2019年分確定申告の依頼について相談を頂いています。
上半期分の記帳を終えられている方もいて、数字を見ながらだと節税策などお話がしやすいです。

【昨日の1日1新】
随園別館 新宿本店

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