抱えすぎた在庫の対処方法について相談がありました。
販路はあるので、原価割れでも在庫を処分したいそうです。
税金面でも何かメリットのある方法がないかということでした。
※上野イカセンターの生簀
在庫の評価方法を確認しましょう
税務では、在庫の評価方法は届け出をしないと「最終仕入原価法」による原価法が適用されます。
そして、もう一つの評価方法として「低価法」があります。
原価法は購入価格を在庫の金額とするもので、低価法は時価が原価よりも下がっている場合に、期末時点での時価を在庫の金額とするものです。
低価法の場合は、時価を在庫の価格とするので、時価が下がっていれば含み損を計上することができます。
税金のメリットとしては、最初の含み損を計上したタイミングが効果が大きいです。
(翌期には洗い替え計上といって同額を収益に計上する必要があります)
もし低価法を採用していて、決算近くになって、原価割れでも在庫を安く売ったという事実があれば、その時売った金額が事業年度最終時の価額にということになります。
ただし、現状は原価法が適用されていれば(過去に「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しなかった場合)、低価法の適用を受けるには、その事業年度開始日の前日までに、税務署に「棚卸資産評価方法変更の届け出」を税務署に提出する必要があります。
また、一度採用した評価方法はおよそ3年くらい経過していないと、税務署側で認められない可能性もあります。
時価の考え方
税法(法人基本通達5-2-11によると)では、「当該事業年度終了の時における価額は、当該事業年度終了の時においてその棚卸資産を売却するものとした場合に通常付される価額」と示されているので、売った時の値段が時価だということになります。
よって、処分予定で処分しきれなかった在庫について、販売価格が原価を下回っていた場合には評価損を計上できます。
廃棄することも検討
本来ビジネスをするうえでは、原価割れは想定されないので、税務署側でも、一部の在庫を安く売って低価法を適用すようなことを許さない可能性があるので注意が必要です。
在庫圧縮できてお金が増えて税金も減ると思われますが、税務署側で認められなかったり、本来ありえない値段で売ることで会社のブランド力が落ちたりリスクも十分あります。
そんな時は、在庫を廃棄してしまうことも検討してみましょう。
廃棄できればその在庫額は経費として計上できます。
(廃棄したとうい客観的な証明も必要です)
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【編集後記】
今日はクライアントの融資関連で資料作成、ふと自分のエクセルの使い方は基本的に間違っていないだろうかと考えてしまいました。(まわりに指摘してくれるひとがいないので)
新たな目、違った目線で、ツールの使い方を見直してみたいと思います。
【昨日の1日1新】
スマホアプリ いまどこ+
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