銀行員が会社の決算書を見た時に、貸借対照表からは「運転資金」を確認しています。
資金といっても、余裕資金、設備資金など色々資金の種類がありますが、先ずは会社の状況をよく現しているのが「設備資金」になります。
運転資金は、算式で表すと以下の通りです。
運転資金=売掛金(債権)+在庫-買掛金・未払金(債務)
図で表すと、左側が資金の運用状態、右側が資金と支払債務を現しており、それぞれのバランスを見て、会社の特性を確認しています。
また、銀行員によっては、流動比率といって短期的な支払能力を貸借対照表から瞬時に読み取っている行員もいますので、以下の算式で100%下回っていないかパッと見て確認しましょう。
(100%下回る場合は説明も用意しておきましょう)
流動比率=流動資産/流動負債
流動資産は一年以内に現金化できる資産、流動負債は一年以内に支払期限がくる返済義務になるので、流動負債が流動資産を上回っている場合(流動比率100%下回る)は、すぐに現金化できる資産よりも返済しなければいけない負債のほうが多いことになりますので、現状の資金繰りに不安を感じさせることになります。
現金預金
月商の何ヶ月分の現金預金があるか確認されます。
目安としては1ヶ月が基準となります。
決算月にたまたま少なかったとしても、決算値を基準に会社の状況を確認されるので、決算にあたっては現預金残高も意識しておきましょう。
定期預金など多額にあると、他銀行との取引関係(担保)で積み立てたと思われることもあります。
売掛金・買掛金
売掛金や買掛金の残高の妥当性が確認されます。
異常に多額の売掛金などは貸し倒れが懸念され、売上の計上に不正がないか疑問を持たれます。
買掛金については、運転資金の観点からは金額が多くても気にしなくて良いですが、支払いが期日通りに支払われているかは説明できるようにしておきましょう。
また、取引先に反社会的勢力の企業が含まれていると、金融機関と融資などの取引できなくなるので、日頃から取引前には相手先の情報を確認しておくことが大切です。
(銀行側は情報機関を利用して得意先を確認することが出来ます)
在庫
在庫は月商の何ヶ月分なのか確認されます。
目安としては1ヶ月が基準となりますが、業界特有の事情があるので、こちら側から業界の商慣行や在庫数量の説明することも必要です。
また、架空在庫も気にするので、倉庫など案内できるのであれば実地の確認もしてもらいましょう。
数字だけでは会社の状況は掴みづらいので、銀行員も興味をもっていれば応じてくれます。
その他、サイト負け(売掛サイトより支払サイトが短い)していないか確認しておきましょう。
貸借対照表は決算の瞬間をとらえた数字なので、たまたまその時だけ数字が悪かったということになるよりは、はじめから決算にあたって良く見える数字を心がけておきましょう。
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【編集後記】
今日は午前中で仕事を終えて、午後は自分の会社の経理と社会保険など手続きを、夕方からは研修と懇親会に参加してきました。
【昨日の1日1新】
メトロ南北線東大前駅
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