フリーランスで独立すると、プライベートとは別に「個人事業主」としてのお金の管理が重要になります。
まずは収支の把握と、手持ちのお金がいくら残っているのかが分からなければお金の管理ができません。
そのためにも自分で経理をすることでお金の管理をする必要があります。
直接的には収入には結びつかない経理は、時間をかけたくないですが、基本な考えの理解と効率的に経理ができるように意識しておきましょう。
65万円控除には会計ソフトが必要
フリーランスとして独立したら、先ず税務署に「事業開始届」と「青色申告承認申請書」を出し忘れないようにしておきましょう。
青色申告にしておけば、最大65万円の青色申告特別控除が使えます。
ざっくり税率が20%とした場合、65万円×20%=13万円の所得税が節税出来ます。
また赤字になった場合にも3年間繰越しすることなどメリットは大きいです。
青色申告の前提としては、経理を複式簿記で記帳することによって青色申告特別控除が受けられます。
複式簿記は、取引を二面性の観点から記帳する方式であり、例えば経費を支払った場合にはその経費を記帳するのと同時に、その経費の支払いに関して現金で支払ったのか預金から支払ったのかを同時に記帳することになります。
難しそうな話ですが、会計ソフトを使うと比較的簡単に記帳がすることが出来ます。
(エクセルで複式簿記の記帳をするのは難しいです)
青色申告特別控除の65万円控除を受けるためには会計ソフトは必須となります。
経理の仕方と専用通帳
経理は、日々処理するようにしておきましょう。
溜め込んであとで処理しようとしても先延ばしになってしまいます。
また、そのときは覚えていたことも後になると忘れることも多いので、余計に経理処理が面倒くさくなってしまいます。
フリーランスになったら、通帳は事業用の専用通帳を作りましょう。
プライベートの入出金が混じっていると、事業とプラーベートの区分するための判断にも余計な時間を使ってしまうことになるので、効率化を意識しておくことが大切です。
預金の入出金もできるだけ少なくしておく方がわかりやすいです。
経費の振込や、売上の入金であれば通帳の摘要欄に記載があるので後からでもわかりやすいですが、摘要欄になにも記載されない場合は自分でメモ書きなどしておきましょう。
預金引出しも、頻繁に引き出すと後から何に使ったのかわからなくなります。
給料などまとまった額で引き出すようにしておきましょう。(できれば決めておいた日付で)
交通費など領収書のでないものについても、忘れないうちに記録しておきましょう。
出金伝票など使うと便利です。(いつ何処へなど記入)
経理の基本は「発生主義」
もう一つ、青色申告特別控除の要件として、複式簿記に加えて「発生主義」により帳簿を記入することが求められています。
「発生主義」ではないのは「現金主義」と言われるもので、売上代金など預金通帳に入金があったときに、預け入れされた日付で売上を計上することが現金主義の経理になります。
いっぽう、発生主義は売上が確定した時点(納品時点や請求書発行時点)で売上を計上する方法になります。
発生主義は実際にお金の入金があったタイミングではなく、取引が確定した時点に着目しています。
つまり、実際に入金がない状態でも売上計上が発生することになります。
発生主義は、売上が確定した時点と、入金があった時点で二回経理処理を行わなければいけませんが、発生主義で経理を行うことで正確な債権管理が可能です。
現金主義では、請求していた代金の支払遅延に気づくのが遅くなる可能性もあります。
(請求漏れについても同様に気づくのが遅くなることがあります)
さらに、入金までのタイムラグを無くすことで正確な業績の把握もできます。
売上と同様に仕入や経費についても発生主義の仕組みを当てはめるので、実際に仕入れや仕事をした期間に対する売上を対応させることで正確な利益の把握ができることになります。
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【編集後記】
発生主義の経理には少し抵抗がある方もおられますが、入金ベースでは簡単にお金の管理できても、入金ベースでは代金の回収漏れから貸し倒れになるケースも想定されます。
口約束で取引をして、入金時点になって双方で認識が違うなどトラブルにもなりますので、
前段で契約書を結ぶことや、請求書をしっかり発行するなどして発生主義でお金を管理する体制も整えておきましょう。
どうしても現金主義で処理したい場合は、別途届出すると現金主義で処理することは可能ですが65万円控除は10万円控除になります。(小規模事業者など要件あり)
【昨日の1日1新】
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